不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

気血水と妊娠


中国伝統医学、一般的には東洋医学といったほうがわかりやすいかと思いますが、この医学では人体には3つの基本成分が体内にあると考えています。
気、血、水の3つです。
気はエネルギー、血は血液、水は体内の水分を指します。
この3つの量的バランスがよく、滞ることがない状態が健康だと考えています。
気血水は最も基本的な物質であり、五臓六腑、経絡経穴、筋肉などの組織が活動するための原動力でもあります。
そして気血水を作るためには五臓六腑や経絡経穴などの組織の活動が必要となります。
つまり、気血水の状態を知ることは、健康かどうかを知ることになり、また病気の原因や状態を知ることができます。
気血水を知り、状態を知ることは治療方法がわかるということですね。

何となく、大筋はわかりましたか?
細かく見ていきましょう。
①気
気とは一体何だろう?
東洋医学では気は目には見えないけど、実在する物質と考えています。
でも見えないんだからわからないですよね。
もう身近なところで話しましょう。
日本語には「気」という言葉がつくものがたくさんあります。
空気、気持ち、気分、気配、気持ちなどで使われていますが、とても抽象的だと思いませんか?
どれも目には見えませんが、実在していますよね?
誰もが感じたことがあるでしょう?
そんな曖昧な存在でも、確かにあると実感するエネルギーを「気」と考えます。
気には種類があり、大きく分けると・・・
気、中医学、宗気、営気

さらに気には6つの働きがあります。
気、元気、衛気

この働きが低下していると思ったら、気が不足している、気が滞っているというわけです。
もっと深堀していきましょう。
体内でどうやって気が作られるか見ていきます。
気、元気、衛気

この図を見れば、五臓六腑との関係も見えてきます。
皆さんどうですか?
どこか変ですか?

②血
血とは、「赤い液体」を指し、愕然としたエネルぎーではなく、栄養として考えます。
これは一般的な血液の考え方と同じだと思います。
東洋医学の場合、栄養的側面が、肉体だけではなく、精神を維持するための栄養でもあります。
東洋医学は体内に「神」を宿していると考えます。
この神は精神を表します。
よって血は肉体と精神の栄養となるのです。
気、元気、衛気

③水
水(津液)は血以外の水分のすべてを指します。
汗や唾液、胃液、腸液、リンパ液、関節液、尿などの水分ですね。
人体には水分量が約60%あります。
これは一般成人量です。
赤ちゃん(乳児)は肌がプルプルですね。
約80%もあります。
お年寄りはカサカサしていますね。
水分量が50%を切ってきます。
水分量は若さを表すものであることは否めません。
気、元気、衛気

これらの気血水は別名でいうと「正気」と言います。
この正気が不足する、流れが滞ることが病の始まりです。
また、外部からやってくる「邪気」というものがあります。
風が強すぎたり、変な季節に強い、冷夏、暖冬など異常気象は風邪を代表とした邪気です。
それ以外はケガや動物や虫による傷害が邪気と考えます。

体内にある「正気」と外部からくる「邪気」との戦いを邪正盛衰といいます。
正気が勝てば、病気になりません。
でも邪気があまりにも強大である、もしくは正気が少ない場合は病気になります。

現在、新型コロナウイルスもいわゆる「風邪ウイルス」です。
そう風の邪気です。
2019年、2020年と異常気象であり、かつ冬の時期に蔓延しました。
ここまで広がったのは感染力が強いという証拠でもありますが、肺炎など重篤になるケースは基礎疾患を持っている方、ご高齢で免疫力が低い方です。
つまり重症化するするのは、正気が少ない方ということです。
新型コロナウイルスはいまだにわからないことが多く、これから解明されると思いますが、邪気としてあまりにも強大なのかどうかは置いておいて、正気アップを目指さなくてはなりません。

また本題である妊活において正気の重要性は言うまでもないかと思います。
次の世代に新しい命を残す行為が生殖です。
両親に正気があふれているからこそ、子孫を残せるのです。

気、血、水の正気を高めていくことを心がけます。
ではどうやって高める?って話ですね。

気を高めるには・・・「補気」をします。
・きれいな空気を体中に取り込みます(今はやりの3密ではだめです)
・気を補う食事材を食べます(人参、山芋、シイタケ、栗、牛肉、ヒラメ、タコ、アボガドなど)
・無駄な精力を使わない
・しっかり睡眠をとる
・ストレスをためない

血を高めるには・・・「補血」をします。
・不正出血はだめだよ(貧血になってしまいます)
・血を作る食事を摂る(当帰、桑の実、イカ、タコ、豚肉、牡蠣、アワビ、ウナギ、牛肉など)
・血の流れを改善する(水分補給、運動不足など)
・肝機能をアップする(毒素を取らない、ストレスを解消する、肝臓を食べる)

水を高めるには・・・「滋潤」をします。
・水分を摂る(毎日2.5リットルは)
・水になる食材を摂る(牡蠣、クコの実、豚肉、リンゴ、ナシ、卵、バナナ、レモンなど)
・肺機能アップ(深い呼吸をすること、汚れた空気を吸わない)
・腎機能アップ(老廃物をため込まない、無駄な精力を使わない)


足りないものを、必要な分だけ取り入れることで、妊娠しやすい身体作りが可能です。